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Added: Aug 10, 2008

From: mitaka6tulip

Duration: 10:0

『スティーブ・マーティンの 四つ数えろ』(1982) DEAD MEN DON'T WEAR PLAID 88分 アメリカ 監督:カール・ライナー 製作:デヴィッド・V・ピッカー、ウィリアム・E・マッキューン 脚本:ジョージ・ガイプ、スティーヴ・マーティン、カール・ライナー 撮影:マイケル・チャップマン 音楽:ミクロス・ローザ 出演:スティーヴ・マーティン、レイチェル・ウォード、レニ・サントーニ、イングリッド・バーグマン、ハンフリー・ボガード、ケイリー・グラント、アラン・ラッド、レイ・ミランド、バート・ランカスター、カーク・ダグラス、ジェームズ・キャグニー、ラナ・ターナー、ヴィンセント・プライス  どうですこの出演者の顔ぶれの豪華さ。『史上最大の作戦』や『オリエント急行殺人事件』、そして『炎の大捜査線』にだって負けてませんよ。  えっ?製作された1982年にはすでに死んでる人もいるじゃないかですって。実はスティーヴ・マーティンが演ずるハードボイルド探偵物を軸に、1940~50年代の20本近い映画から色々なシーンを編集でつなぎ合わせて一本の映画にしてしまった無茶な作品なんです、はい。  チーズ作りが趣味な科学者が深夜の自動車事故で死亡します。しかしその死に不審を感じた科学者の娘がスティーヴ・マーティン演ずる私立探偵のもとを訪れます。依頼を受けて捜査を始めた探偵の前に不可思議な謎や命を狙う殺し屋が登場し、事件は次第に単なる事件から世界征服を狙う陰謀へと広がっていくのです。  これだけだといかにもB級なハードボイルドアクションなのですが、登場する殺し屋や聞き込みでの情報提供者などが往年のスターなのです。まず最初に襲ってくる殺し屋がアラン・ラッド。『シェーン』の主人公役が有名ですが、今回はコートに帽子姿で登場しスティーヴ・マーティンを拳銃で撃ちます。合成で二人を同じ画面に登場させるのではなく、スターのカット、スティーヴ・マーティンのカットという具合にカットを切り返して会話のやり取りを進めていきます。スターのカットの時に話している相手=スティーヴ・マーティンの後ろ姿が映っている場合がありますが、それについてはあらかじめ何らかの理由でスティーヴ・マーティンにその服装や女装などをさせて辻褄が合うようになっています。  会話内容についても、オリジナルの音声はそのまま使っているのですが、スティーヴ・マーティンのセリフで上手くその会話が物語を進めているのが見事です。脚本が本当に練り込まれていますよ、これは。  ジェームズ・キャグニーの登場シーンでは、刑務所に収容されているキャグニーに母親が面会に来る『白熱』での場面を利用しています。そのためスティーヴ・マーティンは母親に変装して乗り込むのです。『白熱』といえばジェームズ・キャグニーが重度のマザコンかつ凶暴な犯罪者を演じて、強盗や殺人を何件も犯したあげくガスタンク(石油だったっけ?)の上で「Top of the World」と叫んで大爆死する、ラウール・ウォルシュがその才能を遺憾なく発揮した傑作ですが、それをこんな使い方するなんて・・・・・・うっうれしいっ!  ヒッチコックの『断崖』からもケイリー・グラントが列車に乗っているシーンが使われたり、先日スカパー!で放映していたビリー・ワイルダーが監督した『深夜の告白』の熱烈なキスシーンが女装したスティーヴ・マーティン(男)とフレッド・マクマレー(男)になっていたりします。ここら辺は、「名作を冒涜するな」とかって具合に怒る人は怒るんでしょうねぇ。怒るんだろうなぁ。  わたしは素直にこの脚本はすごいと思います。よっぽどな映画狂で知識も深くないとこれはかけませんよ。色んな映画をつなぎ合わせて統合性のあるストーリーを作るのはかなり大変でしょう。女に薬を盛られたスティーヴ・マーティンが、ラリって背広の上からパジャマを着て「金ならあるぞー」をお札を握りしめたままベッドに倒れ込むのですが、その後のシーンで殺し屋のヴィンセント・プライスが部屋に乗り込んで襲ってくるのですが、その昔の映画から持ってきたカットでベッドに寝ているのがパジャマを着た男なんですね。これでちゃんとつながって見えるんだからすごい。  他にも色んな映画から映像が使われていましたが、とてもじゃないですが全部は分かりません。スターの中にも、「誰?それ」って人もいますし。アメリカの旧作を使っているのだから日本人が観るよりも馴染みがあるのかもしれませんが、「この映画なら分かるだろ」「このスターなら知ってるだろ」という映画の教養を前提にバカコメディ映画を作れるってのはうらやましいですね。それにしてもどうやって引用作品の版権を取ったのでしょうか。プロデューサーの力が強かったんですかね。  スティーヴ・マーティンが若いです。そして真面目にしてるとこの時は髪が黒くてなかなかいい男。なにかというとモノローグをはじめるベタな私立探偵が様になっています。この映画は学生の時にレンタルビデオで観たんですが、ラスト近くでワルサーP38をクルッと放り投げて一回転させるアクションが好きで、影響されてサークルの部室で備品のモデルガンを使って真似して遊んでました。ちなみに受け損ねるとたいがい足の甲に落ちて痛いです。  ヒロインのレイチェル・ウォードはバート・レイノルズ監督・主演作『シャーキーズ・マシーン』でもヒロインをやってました。なかなか色っぽい人です。スティーヴ・マーティンが銃で左上腕を撃たれる度に、その傷口に口をあてて強烈にチューチューと吸い上げてスポッと弾丸を吸い出すギャグがあります。これが繰り返しのギャグとして効果的に使われています。  科学者宅の執事にしてその正体は・・・な老人を演じているのは監督のカール・ライナー。ロブ・ライナーの父親ですな。もともとがコメディアン・役者だけにナチス将校の制服も様になっています。ラストで探偵のスティーヴ・マーティンが謎解き始めると、「いや待て待て。計画者であるわたしから説明しよう」とこちらも解説を始め、口ゲンカになってるところが笑えます。  他の主要キャストとしては探偵仲間のマーロウ。もちろん役者はハンフリー・ボガードです。まあマーロウとしか言っていませんのでフィリップ・マーロウとは限りません。サム・マーロウかマイク・マーロウの可能性もあります。ちなみに原題の『DEAD MEN DON'T WEAR PLAID(死人は格子縞を着ない)』はマーロウが以前スティーヴ・マーティンに言ったセリフだろうです。最初は縦縞かと思って、死んだ奴は刑務所へは入れられない(囚人服を着ない)ということかと思ってましたが、「意味は分からないがな」とのことなので実際意味はないのでしょう。  忘れるところでしたがこの映画はモノクロです。舞台設定は第二次大戦後の1940年代でしょう。オープニングのユニバーサル・ピクチャーの表示も昔の物を使っていて、『四つ数えろ』自体が当時の映画であるかのように感じてしまいます。

Channel: Film

Tags: dead  don't  martin  men  plaid  steve  wear  スティーブ・マーティンの  四つ数えろ 


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